*forever yours*
「いかにもって?」

「なんか都合良くクリスマス利用してるっていうかさ」

「いいじゃん別に」

「クリスマスの意味ホントに分かってんのかよ、的な」

クリスマスの意味。

「俺さ、今仕事超忙しいんだよ」

「だからちゃんと余裕持って言ってるじゃん」

せっかくのスイートだし、素敵な夜景も美味しいディナーも逃したくない。

焦りを隠せない私の口調に、翔矢がムッとして言葉を返した。

「あのなあ、ガキじゃねーんだからクリスマスごときで仕事投げ出せねえっつーの」

それは…そうかもしれないけど…。

「飯いらねー。時間ない」

「……」

返事をしない私を少し気にしたのか、翔矢がリビングのドアの前でこちらを振り返った。

「由宇」

「……」

ムカついて、返事なんか出来ない。

「おい、由宇」

「翔矢なんか嫌い」

「お前なあ」

「もういいって!この話はナシ」

「……勝手にしろ」

苛立った様子で翔矢が部屋を出ていき、後には同じくムカつきを隠せない私だけが残った。

なに、この状況。
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