アオイトリ
1章

記憶をなくした歌姫

あぁ、まただ。



最近同じ夢ばかりみる。




見覚えのない屋上、




数メートル先にいるのはきれいな顔立ちをした黒髪の男の子。




その男の子が悲しげな表情で私の方を見つめている、



かと思えば数秒後には何かを断ち切るように、私に背を向けて歩き始めた。




あ、待って!



私は右手を目一杯伸ばす。




すると身に覚えのある降下感に襲われ、





「わ…わわ……痛ぁっ!!」




ベットの端からすべり落ちる。
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