初恋
「腹が空いただろう 何か食べたい物はある?」



食欲が無い葵はもう一度小さく首を振った。



「食べないと体力がつかない」



「・・・梅干のおかゆ・・・ママが病気になると作ってくれたの」



「わかった」



受話器を取ると厨房に内線する。



ママと言う言葉で葵は両親を思い出してしまい瞳が潤み始めた。



「葵・・・・」



まだ家族を亡くして10日も経っていないのだ。



「俺が家族になる」



葵の身体をギュッと抱きしめた。



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