初恋
「あら、ゴメンナサイ。爪が引っかかってしまったわ」



笑顔を見せると出て行った。



「葵様!」



宇津木がすぐに白いハンカチをポケットから出して葵の頬の血を拭く。



「大丈夫です」



大丈夫じゃないのは心・・・



紫月が婚約していたなんて・・・



小さい頃から紫月だけを見てきた葵にとってそれは苦しいものだった。



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