初恋
《 葵 視点 》



紫月がゆっくりと近づいてくる。



見てはいけない所を見てしまった気分になってまともに紫月の顔が見られなかった。



再び葵は目を伏せた。



「出歩いて大丈夫なのか?」



たんたんとした声にそっぽを向きたくなる。



「帰るの、明日じゃなかったんだ」



勇気を振り絞って瞳を紫月にむける。



やだ!嫉妬している奥さんみたいになっている・・・


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