初恋
『葵、変わりはないかい?』


「・・・うん 大丈夫だよ いつ帰ってくる?」


『あと1週間はかかるんだ』

残念そうな紫月の声。


「ん・・・わかった 待ってるね」


『勉強もほどほどにな』


「あのね、今日、恭臣くんに紫月がいないから勉強がたっぷり出来たでしょう?って どうしてだかわかる?」


『クスッ 俺がいると葵を離さないから勉強が出来ないだろう?だから俺がいない分、出来たんじゃないかって事』


「あ~そっかぁ そんな事だったんだ」


(紫月と話をずっとしていたい・・・)


『しっかり寝ろよ?』


「・・・うん」

電話が切れてしまうと木枯らしのような風が葵に吹いた。





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