初恋
1時間が過ぎた頃、葵がベッドの上で首を振り始めた。


「葵ちゃん?」


「い、いや・・・行っちゃダメ・・・」


大きく首を振り、額に汗が浮かんでくる。


「この事か・・・・」


家族の夢を見ているのだ。


「葵ちゃん!葵ちゃん!」


身体を揺すると葵の目がパチッと開いた。


「・・・さ・・かき・・・せんせい・・・」


なぜいるのかわからない表情で榊を見つめている。


「また悪夢を見たのかい?」


そう聞くと葵は身体を起こして深いため息を何度も吐いた。




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