初恋
紫月はいらだたしげにため息をつく。


「紫月様、あと10分で到着します」


操縦士の声が耳に入ってくる。


(あと10分・・・・)





屋敷の敷地内にヘリコプターが到着するとすぐさま降りて屋敷に向かった。


紫月の吐く息は白い。



玄関に宇津木が待っていた。


葵の姿はない。


こんな所にいたら叱っていただろうが。


だがその反面不安になる。


起き上がれないほど悪いのだろうかと。




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