初恋
「お帰りなさいませ」


宇津木がうやうやしく頭を下げる。


宇津木に紫月は軽く頷くと螺旋階段を上がろう進む。


今の時刻は夜の8時。


「葵は?」


「ベッドでお休みになっておられます」


榊は葵が眠っている時、誰かを傍に置くように言った。


今も榊が傍について、悪夢で苦しがる前に起こしていた。


紫月は立ち止まって宇津木と葵の様子を聞くよりも一刻も早く葵の部屋に行き、自分の目で確かめたかった。




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