初恋
ノックもせずに葵の部屋に紫月は足を踏み入れた。


ベッドの傍に置かれたイスに榊が座っているのがまず最初に目に入った。


「紫月」


榊の顔を見てからベッドの葵に目を移す。


葵は眠っていた。


「早かったな?」


「こういう時にプライベートジェット機の特権があるんだ」


そっけなく言い葵の頬に手をやる。


「ずいぶん汗っぽいな」


湿った感じの葵の頬。


「あぁ・・・つい10分前にも悪夢を見たらしい 起こしたんだがまたすぐに寝たんだ」




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