初恋
「動いているから汗ばんでいるぐらいなんだよ?」


紫月が近づいてくるのを手を止めてニコッと笑った。


「それがダメなんだ 風邪を引く原因だぞ?」


「本当に大丈夫だから」


身体を動かすのが楽しい。



「日本は年の終わりに大掃除するんでしょ?こんなに広いお屋敷だから貴子さんたち大変だもん」


紫月はそれが仕事でお給料を払っているのだからだとは言わなかった。


だぶんそれを言えば葵が怒るに違いない。


そんな事を考えてしまった紫月はフッと笑ってしまった。


「なんで笑っているの?」


葵が手を止めて不思議そうな顔で紫月を見ている。



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