初恋

紫月の死

葵が悪夢を見ているのかうなされ始めた。


「い、いや・・・・行かないでっ!紫月!」


眠りながら枕の上で大きくかぶりを振る葵に恭臣がつらそうな顔になる。


「お願いだから!そっちへ行っちゃだめっ!」


「葵ちゃん!葵ちゃんっ!」


榊が葵の身体を揺すった。


ビクッ!


葵が目を覚ました。


「榊・・・先生・・・恭臣君・・・」


どうして自分の部屋に彼らがいるのか把握できていない。


次の瞬間、葵はベッドから乱暴に降りた。


「葵ちゃん、どこへ行くんだ!」


スリッパも履かず、素足のままでドアに向かう葵を追う。



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