初恋
貴子が呼びかけても葵は返事をしなかった。


「葵様、お食事をお持ちしましょう」


「・・・いらない」


葵がボソッと言う。


「葵様!なにか口にされませんとお体が持ちませんわ」


無気力になってしまった葵。


このまま紫月の後を追ってしまいそうで貴子は心配だった。


「・・・・・」


葵はくるっと向こうを向いてしまった。



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