初恋
コン・・コン・・ 葵が咳をした。



「どうした?」



紫月が葵の顎を上に向かせ、顔が良く見えるようにする。



紫月の涼しげな眼差しを近くに見て葵の顔が赤くなる。



そんなに顔を近づけないで・・・・



「な、何でもないよ ちょっとむせただけ」



意識している事がばれないように赤くなった顔を背けた。



車が止まり、運転手がドアを開ける。



紫月が先に降り、葵に手を差し出す。


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