王子様だってお姫様になりたい
帰り道
いつもの帰り道がとても長く感じられた
心臓のばくばくが止まらない
心臓が飛び出るとはまさにこのこと…
ほぼほぼ沈黙のまま別れ道についてしまった
大貴が
「お前さ、バレー上手いからダイジョブだぞーもっと自信もってプレーしろ!咲とバレーやってて楽しかった!中学校違うけどまた会って遊ぼーな!」
と言ってきた
じゃあな、と言って行ってしまいそうになる
ダメだよこれじゃ!勇気ださなきゃ!
「大貴…聞いてほしいことがあるの…」
「ん?なに?」
大貴が足を止めこちらを振り替える
春の暖かい風が私たちを包み込む
さっきよりも心臓はばくばくとなり
体もどんどん熱くなってきた
体の震えが止まらない
それでも言わなければならない
自分で言うと決めたのだから