スイートルームで、一晩中
肩を抱かれ連れられるがままやってきたのは、今夜私が泊まる部屋・24階の243号室だ。
「ほら、着いたぞ」
三宅さんがカードキーでロックを解除しドアを開ければ、その向こうには広々とした室内に大きなソファ、キングサイズのベッド、と豪華なスイートルームが広がっていた。
ベージュとゴールドを基調とした、高級感漂う部屋は、レストランとホテルを探す際にネットで見かけて一目惚れしたものだった。
白いカーテンが開けられた大きな窓の向こうには、きらめくレインボーブリッジやイルミネーションなどベイエリアの景色が広がっている。
「わぁ……すごーい!見てくださいよ、綺麗!」
その景色につい酔いも吹っ飛び、子供のようにはしゃぐと、窓際に駆け寄った。
そんな私に彼も同様に窓際に近づく。
「本当だ。いい眺めだな」
耳元で響く低い声に、ちら、と見上げると、外からこちらへ視線を向けた三宅さんと目が合う。
……近、い。
その距離を感じると一気に恥ずかしくなってしまい、私は赤らむ頬を隠すように目をそらした。