その恋、逃亡中。

「変だよ。何があったの?第一、さっきのあの血はどうしたの?」

「うん……。ちょっと喧嘩をしたんだ」

「喧嘩?どこで?」

くるみは信二の眼を凝視した。信二の眼は落ち着きなく動いた。明らかに、くるみの視線を避けているようだった。

「あのねぇ……」

と、くるみは重ねて聞いた。「じゃあ、あの血は、相手の人の?」


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