黒猫系男子にご注意です
誰だ、こいつ。
そっと触れていた手と、腰に回していた腕を離す。
途端に蘭音はハッとして、俺を押して離れる。
チッ…
邪魔しやがって
「い、犬飼くん?」
蘭音は何もしてませんでしたよ?とでも言いたげに、問いかける。
蘭音、動揺しすぎ…
そんな姿も相変わらずかわいいけど。
それじゃ、逆に「何かしてました」ってばらしてるようなもんだから。
俺は笑いをこらえそうになるのを必死に抑える。
にしても、
ふーん、こいつが、犬飼…
昼間の紫苑の言葉を思い出す。