黒猫系男子にご注意です
「で、蘭音?
渡したいものって?」
まさか、猫以外の…
例えば、シカがいたとか…?
肉食動物だし…
って、あんな住宅街にいるわけないか…
「おーーーーーい!!!
蘭音!!!!!」
「うわっ…!!!
びっくりした…」
耳元で叫ばれて、ハッとすると、咲華がお弁当を食べながら、ニヨニヨとしていた。
なんで、そんな顔してるの、咲華…
「猫王子のことを大好きでたまらないのは分かったから、わたしの話もちゃんと聞いてよ?」
「あっ、ご、ごめん…!」
「そこは否定、しないのね…」
やれやれ、こりゃ重症だ、と苦笑いを浮かべる咲華。
「え、なんの話?」
「なんでもない。
それで?わたしに渡したいものって?」