黒猫系男子にご注意です


「は、はは離してくださ...」


「ん?無理。」



そんなぁぁ...バッサリ...



目の前でにっこりと笑う猫王子が悪魔のようにしか見えない。



これじゃ、恐怖で心臓が持たない...



唇があと数センチでぶつかりそうなくらい近いし、頭はパンク状態。



足もガクガクしてきたし...



「お、お願いします...ううっ...」



またもや目がうるうるしてきて、視界がぼやけてくる。



うう、情けない...



懇願するように、これでもかと見つめると



「っ...、」




猫王子はわたしから離れてふいっと顔を背けた。




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