黒猫系男子にご注意です


日が落ちて、辺りが暗くなっていたその日は



お母さんにおつかいを頼まれ、少し遠いショッピングモールまで行った帰り道だった。



はやく帰らないと、お母さんが心配しちゃうと早足で帰っていた時、



ふと感じた視線。



気のせいだと自分に言い聞かせていると、後ろから誰かがついてきているのだと気づいた。



わたしのローファーの足音と比例するように聞こえるそれは、



立ち止まれば、ピタッと止まり、



走れば、スタスタと速くなる。



こわい、こわい...っ



絶対に後ろを見ちゃだめだ...っ



助けて、たすけて...っ



立ち止まりそうになる足をなんとか動かして、その日は家に帰ったけれど、帰ってからも恐怖でガタガタ震えていた。




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