架空ナル世界デ死ノゲーム
「げー…む?」
誰かが復唱をした。
困惑が広がるなか、それに気付いているのかいないのか分からないけれど、クラハシさんはどんどん話を進めてくる。
頭は…ついてきてくれない。
「ゲームの名前などありません。ですがあえて言うなら、デスゲーム、でしょうか。勝てば、帰れます」
得意げに言葉を放っていく。
そこで、おずおずと手を上げる女の子。一回り小さな体で、湖沼鞠(コヌマ マリ)と名乗っていた。16歳で、武器はスタンガン。
「あ、はい、なんでしょうか。湖沼鞠様?」
名前を呼ばれたことに一瞬怯みながらも、小さな声で訪ねる。
「デ、デスゲームって、あの…何をするんでしょうか?し、死ぬん…ですか?」
怯えているような声色。それもそうだ。デスゲームと聞いたら、死ぬゲームにしか思えない。
それは現実的とは思えないけれど、でももしそうなら…酷な話だ。