架空ナル世界デ死ノゲーム

 このままじゃらちが明かない。

 誰かが死ぬとか、そんなことでもめたりしている場合じゃない。



 だから…行動をおこした。


「あの」


 地べたから立ち上がって、みんなを見渡す。凶器を持っている。みんなが。


 だったら僕がやるべきことは。



「僕は、こうやっていがみ合っている場合じゃないと思います。だから」


 スタスタと窓による。近寄るとほんの少し冷たい風が吹いていた。


 
 新鮮な空気を肺いっぱいに吸い込んで、思いっきり腕を掲げた。



「なっ————…馬鹿かお前っ!!」



 何をしようとしているのかをすぐに感づいたリンヤ君が止めようと手を伸ばした。


 だけどその手が僕の手を掴む前に、外に——―空中に、短剣が舞う。



「僕は、凶器を棄てることを選びますね」



 リビングは2階のため、少し音を立てて外に落ちる。


「何してんだよ馬鹿が!凶器無かったらぜってー不利に何だろお前!!」


 
 リンヤ君が胸元を掴み上げて怒鳴る。それでも「平気だよ」と言う意味で笑った。



 行動とは裏腹に少しだけ危機感を持ったけど、それでも今更取り戻すなんてことしないし、したくないと思う。


 ばらばらになった心を一つにして、最後に勝つのはぼくらだから。



 ………そう、今はそう、ただただ純粋に思ってた。












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