架空ナル世界デ死ノゲーム

 かえでさんが首をかしげながら聞いてくる。


「え?それだけ?何か、思ってたより簡単じゃない?」


 そう言いながら紅茶をすする。みんな、ほとんどの人がそういう印象なのだろう。


 でも…。


「馬鹿なの?今あの仮面ヤロー、”火だるまの女”って言ったんだ。触られたらひとたまりもないだろ…それに」


 ハァ、とため息をついた。


 冬李さん以外誰もソファに座っていないこともあり、堂々と寝転がった。


 そしてどこから持ってきたのか分からないか、活字がぎっしりと詰まった分厚い本を読みながら話す。



「…一番最初の時、言ってただろ。どのステージでも最低1人死ぬんだよ」



 …忘れていたわけじゃない。


 …でも、みんなの間を流れる空気が凍ったことは、確かだった。



『よく覚えていましたね。感激です。まぁ、そうですね。必ず”最低一人”は死んでもらいます。それを違反した場合、全員死んでもらいます』



 時計の音が部屋に響く。


 こんなこと、生きているうちになかったはずなのに。


 ここまではっきり聞こえることなんて、無かったのに。



『では、30分後、始めます』



 無機質に、その声が流れていた。




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