架空ナル世界デ死ノゲーム
彩音さんはしばらく黙っていたけれど、視線に耐えられなくなったのか、目を伏せて答える。
「……助けるつもりなんて、なかった。でも、凶器を捨てたあんたの行動が、どうしても信じられなくて。こんな人、いるんだって…」
ぎゅっと、日本刀をもう一度、しっかり抱きしめた。
「…私、自分の生死しか考えられていなかった。ごめんなさい…」
そう言って、ぺこりと頭を下げた。
すると慌てた様子で、鞠さんが言う。
「いやあの、助けてもらってなんて言えばいいか…。本当にありがとうございましたっ」
こちらは綺麗な斜め45度でお辞儀をする。
友情が少し芽生えたことが嬉しくて、思わず笑ってしまった。
すると。