架空ナル世界デ死ノゲーム
「ギャアアアアアアアアアアアッ!!!」
男の、野太い声が聞こえる。もしかしたら、誰かが鉢合わせしてしまったのだろうか。
行こうと立ち上がったけれど、リンヤ君にとめられる。
「馬鹿、今会ったばっかりだろーが!少しは大人しくしてた方が…」
慌てたように言葉を紡いでいる。
だけど、そんな悠長なことを言っていると、誰かが犠牲になってしまうしれない。
…助けてもらったのに悪いけれど、見捨てるような心から腐った人間にはなりたくない。
…こんな状況だからこそ見捨ててしまうような、たくさんいる人間の一人には…なりたくない。
「…今いくのは得策じゃありません。だからと言って、見捨てるのも嫌なのはわかります。…集めましょう。皆さんを」
鞠さんの、初めての力強い言葉。
集まって何か変わるとか、そういうのは分からないけど。
…一丸になれば、きっと現状を打破できる。