架空ナル世界デ死ノゲーム

 手を伸ばすのもむなしく、目の前で大地君は火だるまになっていく。


 
 腕から服へと燃え移って、激しく燃えている。


「あ゛…ギャ……ア゛…」


 叫ぶ声もどんどん小さくなっていった。


 大地…君……


 呆然と目の前の焼死体を見る。皮膚は焦げていて、表情は読み取れないけれど…何となく苦しそうな顔をしている気がする。



「ちょっと…」



 リンヤ君と星君の後ろにいた冬李さんは、大地君の隣にたたずむカヤコさんを指さす。



「…このままいくと、あたしら焼け死ぬよ」


 ぼそりとつぶやいた言葉に反応して、カヤコさんを見た。



 ゆらり、ゆらり、と遅い動作でこちらへと近づいて来る。



「結記!!!」


 逃げなきゃいけないことは分かっている。でも、体は動いてくれない。



 鉛のように重くて、まるで床に釘で…打たれたみたいに。



 ―――――――――――熱い。



 あぁ、死ぬ……?


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