架空ナル世界デ死ノゲーム
心の準備もまだなのに、目の前まで迫っていた。
もうダメ…………そう思った時。
ピーンポーンパーンポーン
放送の音が鳴った時、ピタリとカヤコさんは動きを止めた。
「え?」
意味が分からずそのまま立ちすくんでいると、頭に何か冷たいモノが降ってきた。
ポタリ。
水のようなものがドッと上から降ってきて、あっという間にカヤコさんを濡らし、炎が消える。
炎が消えると同時に、カヤコさんは足元から崩れ落ちて、灰となっていく。
『3時間が経過しましたので、これにて釜中の魚ゲームを終了いたします。また、明日まで休憩となりますので。それでは』
ブツッと放送が切れる。
助かった?
状況整理ができてはいないけれど、とりあえず助かった事だけは分かる。
呆然としながらも、目の前で灰になっているカヤコさんと、その後ろで焼死体となった大地君を見つめていた。