架空ナル世界デ死ノゲーム
「高みの見物してるつもり…?」
心の中で燃える怒りを表情には出さず、1階の食堂へ向かう。
カツンカツンとリノリウムの階段を蹴りながら、たどり着いた。
そこにいたのは。
「おや、十文字彩音様、どうされました?」
狐の仮面をつけたクラハシ。
呑気にお茶を淹れている姿が、どうも気にくわない。高みの見物をしていたのが、気に入らない。
―――学校ではクラスメイトのどんな姿を見たって何とも思わなかったのに、何で今、気にくわないとか思うんだろうか。
自分でさえよく分からない自分に、ほんの少し苦笑した。