架空ナル世界デ死ノゲーム
狐のお面をつけた憎たらしい誰かの姿が、脳裏にチラチラとかすった。
まったく、何をしたいんだ、アイツは…
先の見えない不安にイライラしながらも、休むことなく神経を集中させた。
広いけれど、テーブルの上には最低限の者しか置かれていないので、探しやすい。
だが今、湖沼が探しているキッチンの方は、コップやフライパンなどが置かれているため、そこに隠してありそう。
ざっと辺りを見回してから、湖沼の方に駆け寄った。
不安は消えない。むしろ、ただ”探す”というゲームの内容に、悪意を感じる。いやな汗がこめかみを伝い、ポタリ、と落ちた。