架空ナル世界デ死ノゲーム
「あんたの机の上。隠れてなかったけどな」
それだけ言って、その鍵に興味を失くしたあたしは、適当に鍵を押し付けてさっさと部屋の中を見て回る。
大きなベッド。
高価そうなクローゼットと服。
この部屋をぱっと見ただけで、育ちがいいことは十分に分かる。
だからと言ってどうっていうことはなかったし、あんまり興味もなかった。けど。
ふと、棚の上にある写真たてが目に入った。そこに映っていたのは、母と父と楽しそうに笑っている—————西日と、弟さん。
幼い頃の写真だろうか。写真に写っているよく似た兄弟は、西日の面影がある。
心からの笑顔。
その写真を見ていると、何故か自分の心の中で疑問が浮かんできた。
――――――――あんなふうに心の底から笑ったのは、いつだろう、と。