架空ナル世界デ死ノゲーム
次は、白いマフラーで口元を覆っている男の子。
男の子は伏し目がちで、でもよく通る声で自己紹介をした。
「…西日星(ニシビ セイ)。17歳だ。…凶器は折り畳みナイフ。…必要最低限は仲よくしようと思っている。よろしく頼む」
そう言ってソファに深く腰掛けた。
同い年だし、仲よくなりたいなぁ、なんて思ってニコニコ笑う。
時計が午前8時を指す。いつもなら、学校を出ている時間帯だけど、今は諦めるしかない。
「あ~、次あたし?科かえで(シナ カエデ)だよ!武器はカッター。使う気はさらさらないからあんまり気にしないでね!18歳、よろしくね!」
そう言って笑うかえでさんは、近くにいた小さい女の子をぎゅーっと抱きしめた。
そうして続く自己紹介の最期、僕の番が来た。
立ち上がって、深呼吸をする。
「えっと、暮ヶ丘結記です!武器は短剣で、17歳!よろしくお願いします!」
内心ちょっと緊張したけれど、声は裏返らずに済んだ。
ひどいときは裏声になった事もあるから、人前で話すのはちょっとしたトラウマなんだよね。