架空ナル世界デ死ノゲーム


 少しだけ眺めてから、写真たてをもとの位置に戻しておいた。



 ふと隣で探している西日に目をやった。



 ここにはもうないな……。


「次の部屋行くよ」



 あたしの声に反応して、頷いてから後を追ってくる。



 汚れ一つない廊下を靴音を立てて歩いていると、西日が声を掛けてくる。



「なぁ」



 さらりと揺れて、陽の光に反射する髪に目を細めながら、


「何」


 と言った。

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