架空ナル世界デ死ノゲーム


 自分が言った答えさえ、なんだか笑えてくる。


 あたしは、こんなにも生きることに執着がないんだ、って。



「……どうして?」


 廊下に、凛とした声が響いた。


 痛いところをつく。


 西日は意外そうな顔をして、あたしをじっと見つめている。


 
 あたしは心の中で溜息をつきながら、淡々と答えようとした。




「…あたしの親、なんで結婚したんだってぐらい、仲悪くてケンカばっか。…自分のことで精一杯らしいし。…友達っていうのも…なんだか嘘っぽくてアテになんないから……あたしの方から…遠ざけていたし」



 淡々と答えようとした。


 別にこんなこと、誰にも言ってこなかったし、これからも言わないはずだった。



 言ったって変わんない。何も変わったりしない。





 
< 72 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop