架空ナル世界デ死ノゲーム
何者かの足音が聞こえて、ハッと振り返った。
まさか……敵!?
そんなことが頭によぎって、頬に嫌な汗が伝った。…が。
「…私なりに気配を殺したんですが…お見事ですね」
足音の主は、楽しそうな声色を発するクラハシ。
ただ、クラハシが日本刀を持っていたので、警戒心は解かなかった。
「探しました。これを」
そう言って渡してきたのは、日本刀。確かに私が持っている日本刀は、紛れもないコイツが折ってしまったから役には立たないけれど…。
わざわざ何で新しいものを渡してくるのだろうか?
差し出された日本刀を掴むことなく、問う。
「何の真似?私の日本刀は確かにあなたにおられた。だけどなんで折った張本人が新しいのを…」