架空ナル世界デ死ノゲーム
仁王立ちをしている彩音さんは、キン、と音を立てて日本刀を鯉口を切る。
すると男の人は軽いため息をついて、話した。
「それは脅しのつもりですか?十文字彩音様」
「…どう捉えたっていいけれど、何故私の名前を知っている?」
鞘を抜いて、むき出しになった刃を男に突きつけた。これなら、ここにいる全員の名前を知っていそう。
狐のお面の下に隠されている顔が、とてつもなく気になるのは、僕が危機感っていうものを持っていないからだろうか、なんて再度思う。
でもこのままじゃあ、みんなで寄ってたかってボコボコにしそうだし、話が進まなそうに思う。
ふかふかのソファを下りて、男の人に近づいた。
「…あの、こんにちは。お名前、教えてくれませんか?できれば、僕たちをここに連れてきた理由も。あ…、連れてきたのがあなたじゃないなら、失礼でしたね」
すっと手を差し出すと、男の人もスッと手を出し、固い握手を交わした。
「いやぁ、話の通じるお方がいて光栄です。私はゲームマスターのクラハシと申します。以後見知りおきを、暮ヶ丘結記様」