浅葱色の妖
そこにあった枕を投げつけるとそれを土方さんは軽く避けて片手で掴む。
それを私に投げ返して来たものだから、思い切り顔面でそれを受け止めてしまった。
この変態に返り討ちにされたことが悔しくてたまらない。
「ていうか、昨日までと態度が違いすぎませんか!?」
私が抗議すると、土方さんは当たり前だろとでも言うようににやりと笑った。
「初っ端からそんなことしたらお前は出て行くだろ。そうしたらまた俺がお前の働く所を探さなくちゃいけなくなるじゃねぇか」
私がここで働くことを決めるまで本性を見せなかったってこと?
「女なんて遊郭にでも行ったらいるじゃない。着替えなんて覗かなくたって不自由しないでしょあなたなら!」
頭に血が上ってひたすらまくし立てる。
もう自分が何を言ってるかよく分からなくなってきた。
「見られる時に見ておいた方がいいに決まってんだろうが」
お前の常識なんて知るか、と心の中で毒突く。
「それにお前だって態度が違ってるぞ?今まではずっと敬語を使っていたのに敬語とそれ以外が混ざってる」