浅葱色の妖
羽織
「葵ー!まだ起きてないのー?早く起きろよー!」
家の外から大きな声がする。
深呼吸すると、森の新鮮な空気が肺に流れ込む。
いい朝だー!
「起きてるよー!今行くから待ってて!」
家の外に返事をして着物を着替える。
お母さんに貰った、大切なお守りが首にかかっていることを確認する。
肌身離さず持っていろと言われたお守り。
どこにいる時も、寝ている時も。
麻で作られたそれに触れる。
なんだか、力を貰えるような、そんなお守り。