ハート泥棒
「和哉(かずや)くんって言うらしいんだけど、優しくってなかなか見た目もカッコいいだってばぁ~」
「見た目とかどうでもいいし!お願いだから断ってよ」
リカに変わらない意志をしっかりと伝える。
「私は樹理に本気の彼氏を作って欲しいんだよ。なんで、付き合ってもすぐに別れちゃうの?樹理らしくない!前から思ってたけど、樹里って誰か好きな人でもいるの?それとも、忘れられない人がいるとか…」
「そんなの…いない」
そう答えたものの、少し間があったかもしれない。
もう…好きとかそんな感情は忘れてしまったけど、夢に何回も出てくる少年がいる。
それは、はじめて好きになった人だった。
あれ以来、彼氏ができても、なんか…うまくいかない。