ハート泥棒
あの日から…あっと言う間に4年が過ぎ、俺は大学1年になっていた。
俺が第1希望の大学に落ちたせいで…アホな潤と同じ大学に通うハメになるし、すぐに彼女ができて全然うまくいかない。
1年1年…年を重ねても、俺は何も変わんなくて同じ失敗を繰り返しているだけ。
そんな俺を高校時代からずっと見てるのが…潤だった。
「なあ…ずっと気になってたんだけどさ。海斗って真剣に誰か好きになったことってあんの?」
「そんなこと気になるわけ?」
「気になるっつーか…」
声のトーン下がりすぎだって!
コイツにマジで心配されるって…俺、かなりカッコ悪りぃな。
けど…お前の心配間違ってるから!
だから、言いたくないけど本当のことを教えてやった。
「…あるよ。たった1回きりだけどな」