ハート泥棒

それにこれを見てたら、たまに夜とか泣けてきちゃう時もあったり…って。


「ヤバい…ヤバい…」


そう言いながら窓に目を向けると、外気が厳しいせいか…白く曇っていて外の様子がハッキリと見えなかった。


でも、それは寒さのせいだけじゃなくて


鏡をもう1度見ると、潤んだ瞳をしている…あたしがいた。


「なに今さら…センチメンタルな気持ちになってるんだか…」


目尻にちょっとだけ姿を現していた涙を指で急いで拭って、マスカラを下まつ毛に塗り、ピンク色のリップを唇にのせて…完成。


それから数時間後だった。



「なんで……?」



運命のイタズラがあたしを待っていたんだ。
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