ハート泥棒

待ち合わせ場所に到着したのは、予定より30分程遅れた9時だった。


急いで行こうと思ったものの、金曜日の夜せいかバイトをすぐに抜け出せなかった。


「ヤベぇ…この店だよな」


ようやく潤から聞いていた店の中に入った…その時



──ドンッ!!



「「すみません」」


お互いの肩に感じた衝撃と2人の言葉が合わさった。


そして……


「なんで……?」


この時は目の前にいる人物から目を逸らすことができなくて…ただ、この言葉しか出てこなかったんだ。
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