ハート泥棒

溜息をこぼしそうになっていたら


「リカ、そろそろ…オレたちは…」


潤くんがリカに目で合図したんだ。


えっ、これってまさか!?


「あっ、そうだった。私達、これから用事があるんだった」


「用事ってなによ?」


絶対に嘘に決まってる!


慌てたあたしは2連のブレスレットをつけているリカの手首を思わず掴んだけど…


「後は2人でごゆっくり!樹里、頑張んなさいよっ!」


と、耳元で言われちゃって…。


あっと言う間にいなくなってしまった…リカと潤くん。


残ったのは無言のあたしと海斗。


それとあの日と同じ…気まずさだった。
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