ハート泥棒
「時間あるよな。ちょっと付き合えよ!」
その言葉と一緒に、急に立ち上がった海斗に手を握られた。
「!!??」
そのうちにも、強引な海斗はあたしの分までお会計を済ませて…
気が付けば、あたしと海斗は手を繋いで外を歩いていた。
突然の行動にアタフタしながら、隣を見上げると顔色をいっさい変えずポーカーフェイスのままで前を見て歩いているだけ。
何、考えてるのか…ちっともわかんない。
こっちは突然の出来事と、海斗の前より大きくなった手に…ドキドキが止まらないって言うのに──・・・
「はっ、離して!」
これ以上、手をつないでたら…胸の鼓動に勘違いしそうだった。