ハート泥棒
それから、いくつも電車を乗り継いで…ある駅に着いた。
到着するまでのその間、樹里はずっと不思議そうな顔をしている。
その隣を無言のまま…歩きながら
会話はなくても、こうやって…ただずっと一緒にいたいなってなんてバカなことを考えていた。
俺が誰と付き合っても…すぐにダメになる理由。
それがやっと…わかった。
ずっと心の奥に…コイツがいたんだ。
だけど…気づくのが遅すぎた。
もうすぐ約束を果たすのと一緒に…近づく本当の別れの時。
時間は待ってはくれない。
この瞬間にも、未来に向かって前へどんどん進んでいくだけ。