ハート泥棒
それから歩くこと10分…やっと目的地に到着。
「ここって…」
「ここに来るの…4年振りだな」
そこは真っ暗な校舎。
俺達が出逢い、思い出がいっぱい詰まった場所だ。
「どこに行くの?」
俺は不安そうな樹里の問いかけに少し微笑み、無言のままで約束の場所へ目指して行く。
そして、真っ暗な廊下を歩いて…
「…ここだよ」
「えっ」
どうか…開いていてください。
強く願いながら重たい扉に手をかけた。