ハート泥棒

「樹里のことが今でも好きだ」


「あたしも…海斗のことが好き」


そして俺達は、互いの目を真っ直ぐに見つめあった後…気持ちを伝えあい自然と顔を近づけて



──キスを交わした。



俺たちに必要だったことはあの時、体を重ねあうことより…もっと大切なことで。


それは…【heart・心】を重ね合わせることだったんだって、今わかった。


伝えたい言葉も出てこないまま、気持ちが追いつかないまま…先に体だけ重ね合ってしまった俺達。


苦い後悔を胸に感じながら…それでも、またこうやって出逢えた奇跡。


ずいぶん遠周りをしたけど、もう絶対に離さない。


また、気持ちが離れることがあっても


何度だって奪う。



キミの…“ハート”を



【END】2008/9/8

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