ハート泥棒
ヤバッ!
ママの頭に角が見えるんだけど。
「今、起きたの間違いでしょ?」
「ハハッ…そうとも言うかも?」
なんて…そんな冗談はママには全然通じない。
それよりも、あたし…またあの夢を見ちゃったんだ。
あれから4年が過ぎたって言うのに、今でもあたしは同じ夢を繰り返し見ていた。
それは15歳だった頃の海斗のすべてを思い出せそうなくらい…リアルな感覚を思い出させる“夢”で。
あれも全部、夢だったらよかったのに…。
どうして大事なことって…後から気づくんだろう。もう1度…
──あの日に戻れたら……