ハート泥棒
思春期ど真ん中の15歳の頭の中は、常に好奇心いっぱいで…。
『もうっ!全然わかんないよ~。どうしよう』
この頃の俺は、樹里の行動の1つ1つにドキドキしまくっていた。
密着している肩は華奢で柔らかくて、自分とは全然ちがう。
コイツ…無意識って言うか、全く気づいてねぇよな?
『海斗、聞いてる?ねぇってば?』
余裕がない俺に向かって、上目づかいをして自分の顔をさらに近づけてくる樹理。
この時は自分でもわかんないうちに、体が勝手に動いてたんだ。