LOVE&LIFE
発信のボタンを押そうとした時背後から抱き着かれた。

最初は誰だか分からなかった。

でも、手に触れた途端分かったんだ。

何度この手を握り、あいつを抱きしめたんだろう。

忘れるわけがない。

「乃莉…?」

俺が名前を呼ぶと肩に水滴がついた。

これは乃莉の涙だ。

泣いてるのか。

「ゆづ…、会いたかった……。ずっと、会いたかった…。こうやってもう一度……。」

嗚咽混じりで喋る。

「抱きしめたかった…。」

そんなの、俺だって…。

俺だって…。

「俺だってずっと抱きしめたかった…。好きだった…。」
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